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もの忘れの激しい、夫の父が何度も「実家に帰ったか」と聞くわけ

 
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のぶのぶ
世界30数か国を旅してきた旅行好き。華奢でおとなしそうな見た目とは裏腹にリュックサック一つでぷらりと出かける行動派。東京のど真ん中から愛媛に移住。トライアスロンに挑戦したり自然を満喫しています。

夫の父はいろんなことを忘れてしまう。直前に話した内容も、長年通った床屋の場所も、昼ご飯を食べたかどうかさえも、みんなみんな忘れてしまう。

去年のお盆に会いに行ったときのこと。
「実家に帰ったんか?」と聞かれた。
私が帰っていないと答えると「お盆には実家に帰らんといかん」

今日が何月何日何曜日かもわからないのに、お盆だとわかっているのが面白い。

コロナで実家に帰れないよ、と説明すると
「何を言っとるん、コロナはとっくに終わったよ」

一日中テレビの前にいて、朝から晩までひっきりなしに放送されるコロナのニュースを見ながら、彼は何を思ったのだろう。

まだコロナは終わっていないよ、と言うと
「ほう、そうか」

そして数分後、「実家に帰ったんか?」と聞かれた。
私が帰っていないと答えると「お盆には実家に帰らんといかん」

お、これはもしや「コロナは終わった発言」がまた聞けるパターンではないか?

コロナで実家に帰れないよ、と説明すると
「何を言っとるん、コロナはとっくに終わったよ」

出た!コロナ終息宣言!この発言通り、コロナがさっさと終わればいいのに。

まだコロナは終わっていないよ、と言うと
「ほう、そうか」

きっと彼は心配なのだ。自分の家にはよく遊びに来るけれど、実家にはきちんと帰っているのかどうか。だから何回も聞くのだ。お盆に実家に帰ったのかと。

そんなところから、彼の愛情を感じる。

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