もの忘れの激しい、夫の父が何度も「実家に帰ったか」と聞くわけ
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夫の父はいろんなことを忘れてしまう。直前に話した内容も、長年通った床屋の場所も、昼ご飯を食べたかどうかさえも、みんなみんな忘れてしまう。
去年のお盆に会いに行ったときのこと。
「実家に帰ったんか?」と聞かれた。
私が帰っていないと答えると「お盆には実家に帰らんといかん」
今日が何月何日何曜日かもわからないのに、お盆だとわかっているのが面白い。
コロナで実家に帰れないよ、と説明すると
「何を言っとるん、コロナはとっくに終わったよ」
一日中テレビの前にいて、朝から晩までひっきりなしに放送されるコロナのニュースを見ながら、彼は何を思ったのだろう。
まだコロナは終わっていないよ、と言うと
「ほう、そうか」
そして数分後、「実家に帰ったんか?」と聞かれた。
私が帰っていないと答えると「お盆には実家に帰らんといかん」
お、これはもしや「コロナは終わった発言」がまた聞けるパターンではないか?
コロナで実家に帰れないよ、と説明すると
「何を言っとるん、コロナはとっくに終わったよ」
出た!コロナ終息宣言!この発言通り、コロナがさっさと終わればいいのに。
まだコロナは終わっていないよ、と言うと
「ほう、そうか」
きっと彼は心配なのだ。自分の家にはよく遊びに来るけれど、実家にはきちんと帰っているのかどうか。だから何回も聞くのだ。お盆に実家に帰ったのかと。
そんなところから、彼の愛情を感じる。
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