顔を水につけられなかった私が大人になってから克服するためにやったトレーニング方法とは?
水が怖くて泳げない!
子どもの頃から水が怖い
運動音痴代表!というくらい運動が苦手な私。もちろん水泳も例外ではありません。そもそも泳ぐ以前に水が怖くて、 水に顔をつけられないんです。体育の授業では無理やり顔をつけるものの、怖い→もがく→水を飲む→息ができない→怖い…というわけで、どんどん水が怖くなっていきました。
そんなわけで25メートル泳ぐなんて夢のまた夢。高校になっても13メートルくらいしか泳ぐことはできませんでした。一番屈辱的だったのは小学校のときの水泳大会。25メートル泳ぐことができなかったため、蹴伸び→立つ→蹴伸び→立つを繰り返した私がゴールにダントツのビリでたどり着いたときには観客から拍手の嵐。「やっと終わったよ」的な拍手の中で、穴があったら入りたいと真剣に願っていたのを今でも覚えています。
水が顔にかかるのを極端に恐れる私にとって、日常生活でも問題は山積みです。顔を洗うときにも洗顔フォームのCMのように水をバシャバシャかけることができなかったため、 顔は分割してできるだけ水がかからないようにして洗っていました。
水への恐怖を克服したい!
そんな水を恐れる私でしたが、大人になっても泳げたらいいなという気持ちは残っていました。体育の授業がなくなっても、せっかくなら旅行先の海やプールを楽しみたいと思ったのです。でも怖いものは怖い。どうすればいいのか考えた結果、とんでもないことを思いついたのです。
自力で泳げないなら機械を使えばいいのでは?
そう、水が怖くて泳げないくせにダイビングならできるのではないかと考えたのです。マスクで顔の上半分が隠れるし、酸素ボンベがあれば水の中で普通に息ができるから怖くないはず。そんな短絡的な発想からダイビングにチャレンジすることにしました。思いついたら行動あるのみ!フィリピンのセブ島へGO!
でも当たり前ですが、ダイビングのライセンス取得はそんなお気楽なものではありませんでした。
泳げない私のダイビングライセンス挑戦
講習前の実技テストで発狂
最初の難題は実技講習が始まる前にやってきました。ダイビングの実技講習に耐えられるかどうかのテストが2つも待ち構えていたのです。事前に聞いていて、これくらいは楽勝だろうと思っていたのですが…私にとっては恐怖以外の何物でもありませんでした。
課題その1:シュノーケリングで数百メートル泳ぐ
シュノーケリング初体験だった私。事前に友人から「息をしながら泳げるから、怖くないよ。数百メートルくらい大丈夫」と聞いていたので安心していましたが…ここで苦戦するのが運動音痴の私。
あれ?うまく息ができないかも。思いっきり水を吸い込んじゃった。空気どこ~?
こうなるともうパニックです。怖い、死ぬ。泳ぐどころか浮くことも怪しくなって、気分は遭難者。ジ・エンドと思ったところで終了の合図。課題クリアできなかった、どうしようと焦っていましたが、なぜかクリア。大人数が同時に泳いでいたので、私がほとんど泳いでいなかったのに気付かなかったようです。
課題その2:水の上で10分間浮いている
シュノーケリングをクリアしたものの(ごめんなさい)、まだまだ課題は残っています。次は水の上に10分間浮いているという課題です。別にあおむけになっていてもいいので、顔には水がかからないのですが…。
怖い。
水への恐怖が止まりません。沈んでしまったらどうしよう。沈んだら泳げない。顔に水がかかったらどうしよう。またまたパニックです。そんなときに救いの手が。水が怖い私はプールの壁近くにスタンバイしていたのですが、なんと近くにプールに入るためのはしごが。まさに蜘蛛の糸。そんなわけで10分間こっそりはしごを掴んで課題クリア(ごめんなさい)。
ダイビングの講習で発狂!
課題をクリアしていよいよ講習スタート。フル装備になって後は楽勝!と思っていたら…ここから恐怖が始まりました。
ダイビングの講習は、トラブルに遭遇したときにどう対処するのかということがメイン。海の中でマスクに水が入ってきたらどうする?酸素がうまく吸えなかったら?などトラブルを想定したものばかり。顔を水につけるのが怖いのに、すぐに逃げられない水中でマスクの中に水が入ってくる。水の中で水を抜くことなんてできるわけないでしょ。
おまけに講習は一度プールに入ると基本的にプールの底で過ごします。酸素ボンベを装着して普通に息ができたとしても、マスクから水が入ってきたらどうしよう、息が吸えなくなったらどうしよう、早く水から出たい、プール怖い怖い怖い。もう半泣きです。
あまりの恐ろしさにライセンスの取得を諦めるという選択肢もありましたが、ダイビングの講習代や旅費を考えるともったいないという貧乏人根性がちょこちょこ顔を出してくれたおかげで(笑)意地でも続けることができました。あとは出発前周りに「フィリピンでダイビングのライセンス取ってくるから」と言いまくっていたので、今更後に引けなかったというのも大きかったかも。半ば意地でプール講習を終えることができました。
海水に発狂!
プールでの講習の後は海での講習が待っていました。プールも海も水は水。おんなじでしょと思っていたら…海の水は塩辛くて、何かわからないけど無性に怖い!ここまで来て頭にパンチを喰らったくらいの衝撃です。
水への恐怖を克服できたきっかけとは?
カラフルな魚を見てテンションマックス!
そんな私を救ってくれたのが魚たちでした。海水との恐怖と戦っていた私の前に現れたカラフルな魚にテンションマックス。一気に恐怖が吹き飛びました。こんな近くで魚が見られるなんて、もっともっときれいな魚を見たい、もっと傍に寄りたい、そんな一心で怖いながらも泳ぎ続けました。
おかげでなんとか無事にダイビングのライセンスゲット。この時点ではまだ水恐怖症は克服できていないものの、シュノーケリングの最中は水が口の中に入ってきても「見て見て、あそこにきれいなお魚がいる!」と話すことができるまでになりました。熱帯魚のパワーおそるべし。
水が楽しく思える方法を考える
あれだけ水が怖かった私が一歩前に進むことができたのは、カラフルな魚のおかげ。 水の中で大好きな熱帯魚を見たいという気持ちが、水に顔をつける大きなモチベーションになったのです。 もちろんすべての人が熱帯魚を見て怖さを紛らわせることができるとは思いません。強制的に水に入らざるを得ない講習は一歩間違えば、水に対する恐怖を倍増させるリスクもあります。でも水に入ると楽しいこともあるという体験ができると少しは変わってくるのかもしれません。
水への恐怖心がなくなるためには、ここから更に10年以上の年月がかかりました。でもダイビングのライセンス取得を目指さなかったら、もしかしたら今でも水が怖いままだったかもしれません。ダイビングの講習を乗り越えることができたのは自分にとって大きな自信になったし、顔に水がかかっても落ち着いて対処できるようになったのは大きいかと思います。
大人になっても水が怖い人が一歩踏み出す勇気になれば幸いです。