2024年1月に読んで面白かった本を大公開!ミステリー編
2024年1月に私が読んだ本は24冊。その中で面白かった本を大公開。今回はミステリー。
まずは気軽に読める短編3冊から。
ロシア紅茶の謎 (講談社文庫) [ 有栖川 有栖 ]
作詞家が中毒死。彼の紅茶から青酸カリが検出された。どうしてカップに毒が?表題作「ロシア紅茶の謎」を含む粒ぞろいの本格ミステリ6篇。エラリー・クイーンのひそみに倣った「国名シリーズ」第一作品集。奇怪な暗号、消えた殺人犯人に犯罪臨床学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の絶妙コンビが挑む。
短編のミステリーは余韻がたまらない。短い中にギュッと凝縮されていて、そう来たか!という爽快感。落語を聞いたあとのような、何とも言えない読後感。
ブラジル蝶の謎 (講談社文庫) [ 有栖川 有栖 ]
美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移されたのか。鮮烈なイメージの表題作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を解く『鍵』など、おなじみ有栖川・火村コンビの名推理が冴えわたる傑作ミステリー全六篇。読者待望の「国名シリーズ」第三弾。
突如やってくるラストがどれも気持ちいい。
英国庭園の謎 (講談社文庫) [ 有栖川 有栖 ]
資産家の人知れぬ楽しみが、取り返しのつかない悲劇を招く表題作。日本中に大パニックを起こそうとする“怪物”「ジャバウォッキー」。巧妙に偽造された遺書の、アッと驚く唯一の瑕疵を描いた「完璧な遺書」-おなじみ有栖川・火村の絶妙コンビが活躍する傑作ミステリ全六篇。待望の国名シリーズ第4弾。
ラストでそう来たか!と思わずにはいられない。短編の魅力がぎっしり詰まった一冊。
次は長編5作品。
奇面館の殺人(上) 奇面館の殺人(下) (講談社文庫) [ 綾辻 行人 ]
季節外れの吹雪で孤立した館、奇面館。主人影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれの仮面を被らされた。前代未聞の異様な状況下で、事件は進展する。主人の〈奇面の間〉に転がっていたのは、頭部と両手の指を切り落とされた凄惨な死体。六人の仮面には鍵がかけられていた。名探偵・鹿谷門実の圧巻の推理が始まる!
ネタバレになるのであまり詳しくは書けないけれど、作者のミスリードにまんまと引っかかってしまった。引っかかったら最後、やられた!となること間違いなし。
スウェーデン館の謎 (講談社文庫) [ 有栖川 有栖 ]
有栖と火村の名コンビ、国名シリーズ第2弾! スウェーデン館と呼ばれるログハウスに招かれた有栖川有栖が遭遇した驚愕の殺人事件!
雪の上についた足跡のトリックが面白い。ラストがちょっと切ない作品。
マレー鉄道の謎 (講談社文庫) [ 有栖川 有栖 ]
旧友・大龍の招きでマレーの楽園、キャメロン・ハイランドを訪れた火村と有栖川。二人を迎えたのは、舞い飛ぶ蝶ならぬ「殺人の連鎖」だった。ドアや窓に内側から目張りをされた密室での犯行の嫌疑は大龍に。帰国までの数日で、火村は友人を救えるか。第56回日本推理作家協会賞に輝く、国名シリーズ第6弾。
密室のトリックや英語を絡めたストーリー展開が面白かった。ラストにどんでん返しがあるのも◎。
月光ゲーム (創元推理文庫) [ 有栖川有栖 ]
夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々-江神部長や有栖川有栖らの一行を、予想だにしない事態が待ち構えていた。矢吹山が噴火し、偶然一緒になった三グループの学生たちは、一瞬にして陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められてしまったのだ。その極限状況の中、まるで月の魔力に誘われでもしたように出没する殺人鬼。その魔の手にかかり、ひとり、またひとりとキャンプ仲間が殺されていく…。いったい犯人は誰なのか。そして、現場に遺されたyの意味するものは何。
犯人の動機については微妙なところはあるけれど、謎解き自体は面白い。
孤島パズル (創元推理文庫) [ 有栖川有栖 ]
紅一点会員のマリアが提供した“余りに推理研的な”夏休みー旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。バカンスに集う男女、わけありの三年前、連絡船の再来は五日後。第一夜は平穏裏に更けるが、折しも嵐の第二夜、漠とした不安感は唐突に痛ましい現実へと形を変える。晨星落々、青空に陽光が戻っても心は晴れない…。
トリックがわかると、あんなに丁寧にヒントを出してくれていたのに、なぜ気付かなかったんだろう!と思ってしまう。楽しめること間違いなしの一冊。