夫が私と菜の花畑を見に行く理由とは?
毎年またかと思いながらもついつい行ってしまうスポットの1つが愛媛県伊予市双海の菜の花畑だ。シーサイド公園と下灘駅のちょうど間にある菜の花畑は、春の訪れを一足先に感じることのできるスポットで、空と海の青、菜の花の黄色、桜のピンク、運が良ければ電車も一緒に見ることができる。
毎年同じ場所に同じ菜の花。毎年写真を撮っているが、変わっているのは私と夫の服くらい。毎年同じ景色だ。それでもやっぱりあの景色が見たくて毎年見に行ってしまう。
「きれいだね、きれいだね」と喜びテンションが上がる私と、「そうだね」と冷静な夫。東京から来て菜の花畑が珍しい私と、ずっと愛媛で暮らしていて菜の花なんてどこでも生えているだろうと思っている夫。夫の言葉を借りるなら、「菜の花は雑草」なんだそう。
そういえば近所の畑に生えている蓮華の花でも同じような会話をした。畑の蓮華は作物の肥料にするために植えられたもの。夫から見れば畑の肥やしに過ぎない。私が「蓮華がたくさん、お花畑だ!」と喜んで写真を撮っている傍で、「こんなのわざわざ写真に撮っているのは、私と中国から来た実習生だけ」と言っていた。
こんな感じで菜の花畑に全く興味のない夫だが、毎年「菜の花を見に行こうか」と誘ってくる。今年もテンションが上がって写真を撮りまくる私と、まったりした夫。「どう?」と感想を聞くと「黄色」と幼稚園児のような感想が返って来た。
「もしかして、私が喜ぶから来たの?」と聞くと「楽しそうだからね」と夫。
菜の花畑がもっときれいに見えた瞬間だった。