チャレンジし続けるということ
年だからと諦めないでいろんなことに手を出してみるのはいいかもしれない。以前は携帯なんてと言っていた父だが、私が一人暮らしを始めた際に私とメールでやり取りがしたいという一心で携帯デビュー。ガラケーだった当時は写真データのやり取りはスムーズではなく、私と写真のやり取りのためにパソコンを始め、ついには70代でスマホデビューした。決して使いこなせているとは言えないけれど、大好きな歌手の動画を見たり楽しんでいるようだ。
そんなときにやってきたのがコロナ。離れて暮らす両親と会うこともできない中大活躍だったのがテレビ電話だ。声だけの電話よりも顔が見えるのが嬉しいらしく長時間話し込んでいる。こちらも実家の雰囲気がわかるのはありがたいし、いろんなものを見せ合ったりするのも面白い。両親は私の顔を見るのに一生懸命で自分たちはおでこしか映っていないということもよくあるけれど、それはそれで楽しいものだ。高齢の親がスマホに馴染みがないためコミュニケーションに苦労したという話も聞く中、スマホに慣れ親しんでいてよかったと思った。
もう一つよかったことがある。それはワクチンの予約だ。高齢者が電話を一日中かけ続けたり、繋がらないので市役所に押しかけたというニュースが連日のように報道されていた時期があった。インタビューされた人たちはみな口をそろえて「この年齢でインターネットなんてわからないよ」と怒っていた。私も正直、両親もネット予約は難しいだろうから代わりに自分がネットで予約をしてあげようと思っていた。ところが親に連絡してみると、なんともう自分で予約できたとのこと。おまけに電話は繋がらなかったのでネットで予約を完了したというのだ。驚いている私に「娘に厳しくしごかれたので、いろいろできるようになったよ」と一言。年だからできないと片付けてしまうのは簡単なことだ。でもいくつになっても新しいことに挑戦してみることの大切さを改めて感じさせられた出来事だった。
と偉そうにいろいろ書いてきた私もついて行けていないことがいろいろある。私には関係ないというのは簡単なことだけど、知らないことに手を出してみるのも悪くないかもしれない。70代の人がスマホでいろいろできるようになったのだから、きっと私だって大丈夫。そう信じて。