新しい年、新しい私

また新しい年が始まった。今年は特に実感がわかない。夫は早朝から仕事に向かったし、面倒でおせちも作らなかったので食事も普段と変わらない。テレビをつければ正月っぽい雰囲気を少しでも味わえるのかもしれないけれど、特に見たいものがあるわけではないので見ていない。福袋も買わず、初詣にも行かず、親戚にも会うこともなく、朝からヨガをしていると、本当に今日はお正月なんだろうかと疑ってしまう。実はドッキリでした！と言われても、すんなり受け入れられるくらい正月感がない。

正月だけでない。大晦日も大晦日な感じはなかった。少しでも大晦日感を出そうとスーパーへ行き、普段よりも少し高い生の蕎麦を買い、お総菜コーナーのパーティー用オードブルを見てもピンと来ない。七福神の置物やお正月飾りを飾っても、なんだか不思議な感じがするだけだ。

そして年が変わる瞬間、夫と二人でカウントダウンをしてみた。穏やかな穏やかな年越しだった。年が変わったという大きな盛り上がりも全くなく、毎日交わされる「12時過ぎたよ」と同じくらい日常に溶け込んだカウントダウンだった。

新しい年というのは、人間が勝手に決めたもので、結局は昨日の延長線上にある。年が変わったからと言って何かが劇的に変わるわけではない。それでも年越しの瞬間、全く知らない人と一体感が生まれるのは、新しい年こそ幸せになりたいという共通の思いがあるからだろう。新しい年には新たな自分に生まれ変わりたい、そんな思いが年越しをワクワクした瞬間に変えている。そう、新しい年には人々を新鮮な気持ちにさせる、何か魔力があるのだ。

新しい年の実感がわいていない私だけど、そんな新年の魔法は信じたい。ノートをめくり新しいページに理想の自分を書いていく。新しい一年、今年こそ新しい自分に生まれ変わりたい。

新しい年、新しい私。