あの頃は大変だった フィルムカメラで海外旅行
旅行で欠かせないのが写真。今ではデジカメやスマホを持っていくだけで大量の写真が撮れる。荷物も少なく身軽で、おまけに画質も美しい。デジカメが普及していなかった時代を思うと夢のようだ。
デジカメが普及していなかった時代つまりフィルムカメラの時代、旅行先にフィルムをどれくらい持っていくのかが毎回悩みの種だった。
旅先には珍しいものがたくさん。写真をたくさん撮りたい。でもフィルムは結構かさばるし、必要以上に購入すると出費も痛い。でもフィルムが足りないと旅行先で調達しなければいけなくなる。海外、特に観光地では日本より高いので、現地調達はできるだけ避けたい。
そんなことを考えながら持っていくフィルムの数を決めるのだが、持って行った量で足りたためしがない。旅先ではテンションが上がって、想定よりもたくさんの写真を撮ってしまうのだ。
そんなわけで現地の売店でフィルムを探す羽目になる。すんなり見つかれば問題ないのだが、フィルムが見つからないと写真を撮る枚数を節約して、なんとかしのぐことになる。そんなときに限って撮りたいものがたくさん出てくるのは皮肉なものだ。
そんな苦労(?)をして撮った写真だが、現像後には大抵サプライズが待っている。何を撮ったのかわからないボケた写真、目をつぶっている写真…。ひどいときには一本まるまる真っ黒になっていたこともある。デジタルの時代には考えられないようなことばかりだ。
それでもたまにフィルム時代を懐かしく思い出す。不便だったからこそ、一枚にかける気合が凄かったこと。旅が終わってから、現像でもう一度不思議な旅を味わったこと。今となっては懐かしい、旅の思い出。