愛に警察に事件続出!?フランス ニース&パリのホームステイ!
中学生のときに初めてイギリスでホームステイを体験してから、高校時代にニュージーランド、大学のときにフランスと人生で何度かホームステイを体験してきた。どれも刺激的で新しい発見があったけれど、特に驚いたのがフランスだ。
ニースのホームステイ
南仏のニースで一か月ホームステイをしたときのこと。年齢不詳の豪快な雰囲気のマダムの家だったが、娘は進学で家を空けているため、余った部屋を貸し出していた。一緒に暮らしている男性はいなかったので、どうやら夫はいないようだった。
そんなマダムの家にもちょこちょこやって来るおじさんがいた。工具を持ってキッチンで何かを修理したり、ちょっとした雑用をしていたので、マダムの友人か電気屋さんか何かだと思い込んでいた。
ある日のこと、私は用事があってマダムの部屋を訪れた。もはや何の用事だったか覚えてはいないけれど、多分何かを探していたのだと思う。ノックして特に返事がなかったので、留守かなと思いドアを開けると…
裸のマダムとおじさんがベッドの上で絡み合っていた。
バタン。慌ててドアを閉めて部屋を後にした。その後気まずかったのは言うまでもない。
パリのホームステイ
パリで一か月ホームステイしたときのこと。この家は若い女性とちびっこ二人、それからイタリアから留学してきた十代の女の子が住んでいた。そしてたまに若い女性の彼氏が遊びに来ていた(どうやら夫とは離婚したらしい)。
その週はちょうど、ちびっこ二人が前の夫の家で過ごす週だった。いつものようにママの彼氏が遊びに来ていたので、ニースの過ちを繰り返さないよう、私は自分の部屋でおとなしくしていた。
するとしばらくして、罵るような大声が聞こえてきた。離れていたため何を言っているのかは全くわからなかったが、どうやら居間で二人がけんかを始めたようだった。早く仲直りすればいいのにと思っていると、ガチャン、と何かが壁に当たって割れる音、そしてマダムの悲鳴が聞こえてきた。何かただならぬことが起こっているのは明らかだった。マダムは大丈夫なのか、助けなければ、と思いつつもあまりの怖さに私は部屋の片隅で震えていた。
しばらくするとマダムの悲鳴と破壊音は収まり、代わりにたくさんの人の気配がした。
「警察だ。みんな無事か?」
誰かが警察を呼んだようだった。
おそるおそる扉を開けると彼氏が警察に連行されていた。どうやら興奮して暴れたらしい。殴られたのかマダムは鼻血を出していて、居間の床にはありとあらゆるものが散らばっていた。イタリア人の女の子は部屋に隠れて、恐怖のあまり号泣していた。
その後マダムは何があったのか説明してくれた。彼女も興奮していて細かいところはよくわからなかったが、どうやら彼は何かの薬を飲んでおり、それがきれたため凶暴になってしまったらしい。そして一年前にも発作が起きて同じようなことがあったようだ。
あの後二人の関係がどうなったのかは知らない。一年前も今回も同じようなことを繰り返してきた二人なら、もしかしたらまだ一緒にいるのかもしれない。