いつでもスマイル シンプルライフ

食事の好みが合うということ、それは貴重な出会いかもしれない

 
この記事を書いている人 - WRITER -
のぶのぶ
世界30数か国を旅してきた旅行好き。華奢でおとなしそうな見た目とは裏腹にリュックサック一つでぷらりと出かける行動派。東京のど真ん中から愛媛に移住。トライアスロンに挑戦したり自然を満喫しています。

何をどのように食べるか。食事の仕方にはその人の本性が出る気がする。一緒に食事をして、今までいいなと思っていた人に何か違和感を覚えたら、今までの経験上、アウト。どんなに自分を納得させようとしても、その後モヤモヤしたものが消えることはないからだ。それくらい食事と人の関係は密接なものなのだと思う。

昔料理を出すたびに毎回大量の柚子胡椒をかける人がいた。少し食べてから刺激がほしいと追加するのではなく、料理が出てきた時点でかけるのだ。それも元の味がなんだかわからなくなるであろう量をたっぷりと。和洋中どんな料理を出しても、味見をすることもなく、料理の表面が緑に染まるまで、柚子胡椒をかけなければ気が済まないのだ。

あるとき見かねてお願いしてみた。「柚子胡椒が好きなのはわかるけど、食べる前から柚子胡椒をかけるのをやめてもらえないかな。味付けだって頑張っているんだから、せめて一口食べてみて、それで物足りなかったら柚子胡椒をかけてくれない?」

その後食べる前に柚子胡椒をかけるということはなくなった。その代わり一口形式的に口に運んで、その後柚子胡椒をかけるようになった。一口は私の作った味付けで食べてもらえるようになったけれど、モヤモヤした気持ちが晴れることはなかった。

相手は一応、柚子胡椒ぬきで食べてほしいという私の気持ちを尊重したのだろう。一方私は、味が物足りなかったら柚子胡椒をかけてもいいとは言いつつも、心の底では料理の原形をとどめないくらい大量の柚子胡椒をかけないでほしいと思っていた。相手は自分の好きな味付けで食べたいと思っていて、私は作った料理を味わってほしいと思っていた。結局そんな二人の考えが交わることはなく、食事を共にすることもなくなった。

料理をそのまま味わってほしいなんて言っている私だが、もちろん思いっきり足したいと思うことはある。料亭の素材のよさを生かしたシンプルな味付けの料理、大将がマヨネーズ禁止のお好み焼き…。その場では作ってくれた人のおすすめ通り、何も足さないで食べる。これはこれで、おいしい。でも、もしこれが毎日続いたら、いろいろ足してしまうと思うのだ。私も柚子胡椒の人と変わらないのかもしれない。

そう考えると、食事の相性がいいということは奇跡だ。作ったものを、そのままおいしく食べてくれるパートナー。小さなことかもしれないけれど、ものすごく幸せなことなのだ。いつもぺろっと平らげてくれる夫に感謝。

この記事を書いている人 - WRITER -
のぶのぶ
世界30数か国を旅してきた旅行好き。華奢でおとなしそうな見た目とは裏腹にリュックサック一つでぷらりと出かける行動派。東京のど真ん中から愛媛に移住。トライアスロンに挑戦したり自然を満喫しています。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。

Copyright© 旅するのぶのぶ , 2022 All Rights Reserved.