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メンタルが弱い私が、父から学びたいこと

 
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のぶのぶ
世界30数か国を旅してきた旅行好き。華奢でおとなしそうな見た目とは裏腹にリュックサック一つでぷらりと出かける行動派。東京のど真ん中から愛媛に移住。トライアスロンに挑戦したり自然を満喫しています。

私の父はメンタルが強い。もしくはかなりの鈍感力を持ち合わせている。私は逆にちょっとしたことを気にして、すぐに折れてしまうタイプなので非常に羨ましい。

父は基本的にどんくさい。私も父から不本意ながら、そのどんくささを受け継いでしまったのだが、どんくささに対するアプローチが父と私では大きく違うのだ。

父はかなりの音痴だ。テレビで見かける、歌が下手な芸能人などとは比較にならないくらい吹っ切れた音痴だ。しかし歌うのは大好き。自分が音痴と気付いているのか、周りが面白おかしく言っているだけだと思っているのかは不明だが、家で堂々と歌う。はっきり言って騒音レベルだ。それでも彼は気にしない。歌いたいから歌うのだ。

そして父はついに詩吟を習いに行った。しかも個人レッスンではない。グループレッスンだ。それだけ音痴で人前で歌うのは気にならないのか聞いてみると「自分がやりたいから習うんや」と言っていた。

そしてどうやら詩吟には一人でやるものだけでなく、いろんな人とやるものもあるらしい。周りの人たちはきついだろうなと思っていたら、案の定先生から、少し声のトーンを落としてみようと言われてしまったらしい。私ならその時点で心が折れてやめてしまいそうだが、父は違った。そもそも音がずれていると指摘されていることに気付いているのかも怪しいが、めげることなくせっせとレッスンに通っていた。

ヨガを習いに行ったときもそうだった。体験レッスンでほとんどついていけなかったので(彼がそのことに気付いていたかは不明だが)、先生は父が次のレッスンに来ることはないと思っていたらしい。けれども父はへこたれることなく通い続けていた。

社交ダンスにはまったときには驚いた。シャルウィダンスではないけれど、駅のホームでステップを踏み、空いている時間は補習をしてもらい、ほぼダンス漬けの日々を送っていた。しかしあんなに練習をしていたにも関わらず、一緒に習っている人と比べてダントツに下手くそだった。それでも父は気にせず続けていた。

そんな父の血を受け継いだ私の運動音痴もなかなかで、ダンスを習えば記憶喪失。習った瞬間からすべて忘れ、踊るときには放心状態。ほぼほぼ直立で人の足を踏みまくる。練習相手からの「ちゃんとやれよ」という無言の圧力に耐えきれず、レッスン中は半泣き状態。またレッスンについていけないんだろうなと考えると、レッスン前にはお腹が痛くなるほどストレスを感じていた。

レッスンに行くのは辛い、でも踊れるようになりたい、そう思った私は父に聞いてみることにした。「あんなにどんくさくて、レッスンに行くの辛くなかった?」

すると父はへえ?と驚いて答えた。「お金払って習ってるんやから、そんなん気にしたらあかん。人は人。プロになるんちゃうから楽しくやったらええねん」

そう、大切なのは自分が楽しんでやること。他人が自分のことをどう思おうと関係ない。他者目線ではなく自分目線になれる、鈍感力。それを持ち続けられる父を尊敬している。

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