夫は「なぜ○○してないの?」と言わない
夫は「なぜ○○してないの?」と言わない。仕事から帰ってきて夕飯が何もできていなくても「なんでご飯作ってないの?」とは言わない。自分でパパっと作ってくれる。床に大きなほこりがたまっていても「なんで掃除してないの?」とは言わない。一人で黙々と掃除している。厳密に家事の分担が決まっていないのもあるけれど、状況的にこれは私がやるべきという場面でも「なぜ○○してないの?」と言うことはない。
「なぜ○○してないの?」と言われると一方的に責められている気がする。こっちにだって事情があるのにと言い訳の一つや二つしたくもなる。でも何も言われないと逆に悪かったという気分になる。
帰ってきて夕飯ができてなくて怒らないの?と夫に聞いてみたことがある。夫は不思議そうな顔をしながら答えた。夕飯がないと怒っても夕飯はできないよ。それなら作れる人が作ればいい。掃除に関しても、この状況を汚いと思っていないから掃除してないんだな。それなら汚いと思った人が掃除すればいい。
以前精神的に追い詰められて心が病んでしまったことがあった。そんなとき彼は過度に心配するわけでもなく、淡々といつも通りに接してくれた。無関心ではない、でも心配しすぎではない、そんな距離感が心地よかった。当時彼は、今は辛いんだなと受け入れていたらしい。
「なぜ○○してないの?」という言葉には、相手に過度に期待した結果裏切られたという思いが根底にある。何も言わないということは、相手に過度に期待せず、事実をそのまま受け入れるということだ。そしてこの状況で最適な解決策を見つけていく。これって実はすごいことなのではないだろうか?
私たちはちょっとしたことで「このくらいやってくれてもいいのに」「どうしてやってくれないの」と不満を抱く。でも他人に対して過度に期待しなければ、不満を抱くこともない。すぐには難しいけれど、私も彼を見習って、過度に期待せず、事実をありのまま受け入れられるようになりたい。