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多様性が欠けた社会で損をするのは、結局自分たちなのではないか?

 
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のぶのぶ
世界30数か国を旅してきた旅行好き。華奢でおとなしそうな見た目とは裏腹にリュックサック一つでぷらりと出かける行動派。東京のど真ん中から愛媛に移住。トライアスロンに挑戦したり自然を満喫しています。

最近、ある企業の商品開発の密着番組を見た。男性の商品開発チームがキッチングッズを開発。チームの男性は普段料理をしていないので気付かない点も多いが、一般女性の意見を取り入れているおかげで素晴らしい商品の開発に成功しているというものだった。

この番組を見て私は非常にモヤモヤしてしまった。全く料理をしたことがない人が使う人の意見を聞きながら商品を作るのではなく、そもそも普段から料理をしている人が開発にかかわれば、もっともっといい商品が生まれるのではないかと思ったのだ。たまたま取材された開発チームに、たまたま女性が一人もいなかったのか、そもそもこの企業の開発チームに占める女性の割合が少ない(もしくはいない)のかはわからない。ただ、もし偏った人たちだけで開発しているなら、非常にもったいないことだと思うのだ。

番組では、料理をする人に「こんな機能使わない」と言われ、根本から見直すことになった。最初から料理をする人が開発にかかわっていたら、こんな無駄な工程はなかったに違いない。逆にもっと使う人が欲しい機能を最初からつけることができていたかもしれない。

最近、女性の管理職の割合を増やそうという動きがあるけれど、多様性という観点で重要なことだと思う。男性ばかりが商品やサービスを考えているよりも、男性と女性、さまざまなバックグラウンドを持つ人が意見を出し合った方が、化学反応が起こって、今までなかったものが生まれるに違いないのだ。企業にとっても、顧客にとっても、この方がワクワクする結果が待っているのではないだろうか?

ここで注意したいのが男女の割合だ。せっかく女性を登用しても、明らかに少数派だと意見が通らない。せっかくアイディアを出しても、多数派がピンとこないと「変なことを言っている」と思われるのがオチなのだ。仕事の進め方、ちょっとしたこと1つとっても多数派に合わせなければ浮いてしまう。多様性を実現するどころか、多数派に飲み込まれてしまうことも少なくない。

以前私は、とある大企業の本社で総合職として働いていた。社員はほとんどが男性。入社試験でも「女性の割合を10パーセントに抑えるようにしろ」という方針の元、点数の良かった女性をことごとく不合格にして、低い点数の男性をどんどん採用していたような会社だった。

そんな中で働いていると、同僚も上司も男性ばかり。何か提案するときにも、自分がいいと思ったやり方や内容よりも、「男性がいいと思う」方法で進めないと、うまくいかないのだ。当時このままだと「おばさん」ではなくて「おじさん」になるなと思ったのを覚えている。

あるとき、外部から講師を招いて、この会社で数少ない女性をターゲットとしたセミナーが開かれた。内容は全く覚えていないが、1つだけ印象に残っていることがある。何かお題が与えられ、どのように対処するかというものだったが、その回答が興味深かった。男性中心の会社で働いている女性の回答は、一般的な女性の回答とは大きく異なり、一般的な男性の回答と同じだったのだ。もともと男性的な思考をする女性が集まっていたのか、男性中心の社会で過ごすことによって男性的な思考になっていったのかはわからない。ただ私に関して言えば後者だと思う。

現在企業のトップにいる人、中心となって動かしている人は、問題なく物事が進んでいるのに、わざわざやり方を変える必要性を感じていないのかもしれない。対外的な目があるので、とりあえず女性を少し増やしておけば文句はないだろう、としか考えていないのかもしれない。

ただ同じ思考回路を続けていると、新しい場所には行けない。現状維持のままではきっと壁にぶち当たるはずだ。どこか違う場所に行きたいなら、新しい風をいれる必要がある。多様性が欠けた社会で損をするのは、結局自分たち自身なのだから。

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