いつでもスマイル シンプルライフ

相撲は二度おいしい

 
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のぶのぶ
世界30数か国を旅してきた旅行好き。華奢でおとなしそうな見た目とは裏腹にリュックサック一つでぷらりと出かける行動派。東京のど真ん中から愛媛に移住。トライアスロンに挑戦したり自然を満喫しています。

夫の父は相撲が大好きだ。夕方になるといつもテレビで相撲を見ている。「お父さん、お相撲好き?」と聞くと「好きではないけど、他に見るもんないんよ」という。相撲が好きと言うよりかは、テレビを見ていて理解できるから楽しいのだと思う。

物忘れが激しくなり直前の記憶も怪しい彼は、CMが始まると直前に何を見ていたのか忘れてしまう。下手するとCMを番組だと思って熱心に見ていることすらある。その点相撲は短期決戦。短時間で決着がつくためわかりやすい。

そしてルールがシンプルなのも相撲が好きな理由だと思う。よく父と一緒に相棒の再放送を見ていると、最初のうちは「右京さんは紅茶が好きじゃのう」とか「右京さんが、最後に一つだけというのは重要な質問じゃ」など言って楽しく見ている。しかし事件が始まると途端についていけなくなり、「今回はあんまりじゃったのう」とつまらなさそうだ。その点相撲のルールはシンプルでわかりやすい。伏線もミスリードもなし。勝ったか負けたか、それだけだ。

せっかくなので相撲を一緒に見ながら、いろいろ聞いてみる。相撲を取る前になぜあんな行動をするのか、今の横綱は誰なのか、今場所強いのは誰なのか…。すると嫁にはいい格好をしたい父は、頑張って答え始める。外国人力士の出身国を聞いたときには、結局当たらなかったが、頑張って国の名前をいくつも挙げてくれた。外国とは無縁な父がマイナーな国の名前をいくつも列挙しているのは、なんだかとても面白い。

そんなことをしているうちに相撲の中継は終了。だが父にはもう一つ楽しみがある。それはその後に続くスポーツニュースだ。ニュースが始まるころには相撲の中継を見たことを忘れているので、「どっちが勝つんかのう」と毎回ワクワクして見ている。

父にとって、相撲は二度おいしいのだ。

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