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どうして私はなめくじを怖いと感じるのか?

 
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のぶのぶ
世界30数か国を旅してきた旅行好き。華奢でおとなしそうな見た目とは裏腹にリュックサック一つでぷらりと出かける行動派。東京のど真ん中から愛媛に移住。トライアスロンに挑戦したり自然を満喫しています。

夫の母は野菜を作っていて、いつもたくさんわけてくれる。彼女の野菜はほぼ無農薬。安全安心なのは嬉しいけれど、もちろん虫もたくさんついてくる。すぐに奴らを撃退できる野菜はいいけれど、葉物の野菜はちょっと厄介。葉っぱのひだや茎の付け根などかくれんぼをするところがたくさんあるからだ。虫が苦手な私にとって、これはちょっと一種の拷問だ。洗っても、洗ってもどんどん、ぴょんぴょん飛び出してくる。

よく隠れているのは小さな芋虫とナメクジだ。あんなに丁寧に洗ったのに野菜をゆでた鍋に芋虫がぷかぷか浮いていると本当にきつい(もちろんゆでられてしまった芋虫はもっときついけれど)。お湯から頑張ってすくい上げ退去いただく。そして爪の先くらいの小さなナメクジを見つけては発狂しながらもポイ。移住したばかりの頃はこんな芸当は不可能だったのだから、これでも大分成長した。

でも先日はきつかった。水をためた容器で野菜を洗っていると、容器の底にきくらげのような大きな茶色の物体を発見。枯れた葉っぱやごみが付いているのかな?取り除かなくちゃと思っていると、どんどん茶色の物体が大きくなっていく。やばい、これは生きている、取り除かなくちゃと思っていると、水のパワーでどんどん大きくなり、おまけに動き出してくねくねと水面にまでやってきた。まちがいない、これはなめくじだ。

早く取らなきゃとわかっているのに、あのくねくねとした姿を見たら気持ち悪くなって全くそばに寄れない。取らなくちゃ、頑張らなきゃと思っても硬直。よくわからない生理的な嫌悪感がこみあげてきて、思わず叫んでしまった。

幸いこのときは夫が駆けつけてくれてポイ。助かった。それでも感じた生理的な嫌悪感、気持ち悪いという思いはしばらく続いた。

いつまでも気持ち悪がっていても仕方がないので、なぜなめくじが恐ろしく、気持ち悪く感じたのかを考えてみることにした。自分に危害を与える存在として本能的に警戒しているのだろうか?でもなめくじを食べれば死ぬこともあるというけれど、普通に接している限りは私のことを襲ってきたり、噛んだりすることはないことはわかっている。

それならなぜ気持ち悪いのか。いろいろ考えた挙句、自分と全く形が違う得体のしれないものに対する恐怖ではないのかという結論に達した。なめくじは危害を与えたりしない、絶対向こうの方が私のことを怖がっているはず、大丈夫とわかっていても、本当にそうだろうかという不安から気持ち悪いと思うのかもしれない。

これはきっと昆虫だけに当てはまるわけではなくて、人間にも言えることなのだろう。本当にこの人は自分に危害を加えないのだろうか。そんな人に対して生理的に嫌だなと思う時、きっと漠然とした不安が根底にあるような気がする。

ちなみになめくじを素手で掴んでポイした夫に、なめくじが怖くないのかと尋ねてみるとこんな答えが返ってきた。

「別に。慣れてるからじゃない?」

恐怖で固まっていたときになめくじをポイしてくれて、結婚してよかったなとしみじみ感じた私。でも結婚していなかったらきっと、なめくじ付きの野菜を触ることもなかっただろうな、と考えて少しおかしくなった。

夫婦のほっこり生活を描いた作品です。読んでみてください。
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世界30数か国を旅してきた旅行好き。華奢でおとなしそうな見た目とは裏腹にリュックサック一つでぷらりと出かける行動派。東京のど真ん中から愛媛に移住。トライアスロンに挑戦したり自然を満喫しています。

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