食パンの袋をとめるアレは、なぜついているのか?
子どもの頃、アラブの石油王か何かのテレビ番組を見て、石油があればお金持ちになれることを知った。そしてちょうどその頃、プラスチックが石油から作られていることを知り、逆にプラスチックから石油を作ればお金持ちになれると考えた。
そこで子どもの私が目を付けたのが、食パンの袋をとめる水色や白色のアレ(バッグ・クロージャーというらしい)。これを集めて溶かせば石油になり、お金持ちになれると思ったのだ。せっせと集めていたが、鍋で溶かしただけでは石油にならないこと、両手に乗るくらいバッグ・クロージャーを集めてもお金持ちになれるくらいの石油ではないことを知り、バッグ・クロージャーを集めるのをあきらめた。
そんな思い出のあるバッグ・クロージャーだが、大人になって疑問に思うことがある。なぜ食パンに必ずついているのだろう。確かにあると便利だけど、どうして食パンだけについているのか。湿気から食品を守るなら、ポテトチップスや他の食材についていてもよさそうだ。でもついているのは食パンだけ。
そして確かにあると便利なバッグ・クロージャーだけど、パンを食べ終わった後にいつも困るのだ。これは捨てるしかないのかな、と。集めても石油王にはなれそうもない。ネットで活用法を探すといろいろ出てくるけれど、活用法が出てくるということは、みんなもきっと扱いに困っているということではないのだろうか。いらない、でも捨てるのは忍びないので活用法を探している、そんなところか。
それなら、いっそのこと、なくしてしまっても問題ないのではと思ってしまう。もしかしたらパンをおいしく食べるための、ものすごいこだわりが詰まっているのかもしれない。でももし、単にあった方が便利だろうとつけてくれているなら、なくしてくれた方が個人的にはありがたい。石油王にはなれないし、何より捨てるのはもったいないと思ってしまうのだから。